中国が踏み出した感染管理の大きな一歩

2003年、中国本土から発生し、世界的なパンデミックとなる脅威のあった重症急性呼吸器症候群(SARS)の大流行により、世界中の注目が中国に集まりました。SARSは、その大流行が終息するまで19カ国にまん延し、発症数は2,960症例にのぼり、そのうち119名が死亡しました。1その間、中国の中央政府は感染症事例の検出と報告、そして世界保健機関(WHO)、米国疾病対策センター(CDC)、およびその他の国際公衆衛生機関との連携を可能にする公衆衛生インフラストラクチャーを構築すべく投資を行ってきました。

しかし、中国の平均的なレベルの病院では、感染の監視や医療関連感染(HAI)を検出、予防、管理するためのプログラムに対する理解は進んでいません。こうした切迫した状況は、数字に如実に表れています。中国の病院にいる10名の患者のうち1名はHAIに罹患しており、これは先進国におけるHAIの発生率の2倍です。ほぼすべての抗生物質に対して耐性のある微生物は、ますます増加しています。

2008年末の時点で、中国には278,000の医療施設、613,000の村診療所、4,036,000の病床があり、6,169,000名の医療従事者がいました。この期間、中国政府は病院レベルで感染を予防・制御する機能を構築すると公約しましたが、訓練を受けた感染予防専門家がほんの少数しかいない状況では困難な取り組みでした。

2011年春、BDは感染の予防と制御におけるノウハウを提供するパートナーとして、中国衛生部(MOH)との合意書に署名しました。その結果、2012年5月には、中国全土の病院へ展開できる感染予防・制御のモデルプログラムの開発に関して、MOHの代理人として中国医院協会(CHA)との契約が締結されました。
このパイロットプログラムは、まず8つの省にある12の病院で実施されました。プログラムの最初のグループには、中国最大規模の病院10施設と2つの中規模施設が含まれ、その後、13の省にある52の病院(すべてクラスAの三次病院で軍の病院を含む)まで拡大されました。国際共同研究と情報交換は、Centers of Excellence(COE)プログラムの重要な要素であり、中国代表団がアメリカで会合を行う基盤でもあります。

前MOH副部長でCHA会長のRonggui Caohaは、
BD 取締役副社長兼最高執行責任者Bill
KozyからCOEアワードを授与されました。
2014年の訪問では、中国代表団はアメリカの感染管理疫学専門家協会(APIC)の年次会議で中国の感染制御とBDとCHAの共同COEプログラムに関して発表を行いました。また、ニュージャージー州Valley病院の感染予防スタッフとの会談も行いました。中国代表団のアメリカ訪問は、COEプログラムの進行におけるBDのリーダーシップと協働する良い機会ともなりました。

適切な感染制御対策を適用することで多くのHAIを予防できます。2このCOEモデルは、中国の病院にとって、HAIを抑制し、人々から不要な苦しみを取り除き、限られたヘルスケアリソースをより効果的に活用するためのロードマップとなります。このプログラムを実施することで、医療現場での感染による苦しみをなくすというBDの将来のビジョンに一歩近づくことができます。


1 世界保健機関。SARS(重症急性呼吸器症候群)2015情報入手先:
http://www.who.int/ith/diseases/sars/en/
2 Control of Health Care-Associated Infections、1961‒20112015情報入手先:
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/su6004a10.htm
このストーリーについての感想をお聞かせください