子宮頸がんと「グローバルマザー」

河村裕美さんは、子宮頸がんの経験について多くの女性と語り合う活動と、子宮頸がん検診を早期に受けることを勧める活動を日本各地で行っています。
先進国の多くでは、女性の健康診断の項目の1つとして、子宮頸がん検診が比較的日常的に行われています。しかし日本の子宮頸がん検診受診率はわずか37%であり、予防できる子宮頸がんのために多くの人々が亡くなっています。日本政府は2017年までに受診率を50%に引き上げることを目標とし、20歳から40歳までの女性にクーポンを配布して、無料で検診を受けられるようにしています。
河村さんは、子宮頸がん検診が重要だと考えています。結婚して1週間目に生理痛が重かったため産婦人科医で内診をうけたところ子宮頸がんを宣告されました。その後、セカンドオピニオンで訪れたがん専門病院で精密検査を受けたところステージ1Bの腺がんと診断されました。広汎性子宮全摘術を受け、多くの術後障害に苦しみ、子どもを産むという夢もあきらめました。

同じような経験をしているのが自分だけではないこと、定期検診で子宮頸がんを予防できることを知った河村さんは、日本の女性のサポートと啓発を目的としたNPOとして「オレンジティ」を立ち上げました。女性の健康診断の標準項目として子宮頸がん検診を組み入れることを提言しています。
2014年には、福島市で大規模な子宮頸がん啓発イベントを開催しました。このイベントは、彼女が地域の新聞社の協力を得て日本各地で開催している全国的な活動の1つで、数百人の女性が参加しました。工場が福島市にあることもあり、日本BDは子宮頸がん検診の重要性を伝えるブースを設置するなどこのイベントを支援し、さらにイベント当日、講演のため福島工場に河村さんを招待しました。
河村さんは、「私は子宮を全摘出したため母親になることはできませんでした。しかし、子宮頸がん検診の重要性を伝えることで、皆さんが母親になる可能性を失わないようにすること、また皆さんの命を守ることもできます」と話してくださいました。このメッセージは多くの出席者の心に響きました。出席者の1人は、「自分ががんになることは絶対ないと考えていました。でも河村さんのお話を聴いて、子宮頸がんのおそろしさを知り、健康でいるために定期的に検査を受けなくてはいけないと思いました」と述べています。
また工場長の鈴木千尋は、「このイベントに参加することで地域社会に貢献できたことをうれしく思います。幸運にも、河村さんが工場まで来てくださいました。実際に病気を克服した方の話ほど聴く者に力強く、心に響くものはありません」と述べています。

福島市のイベントのサポートチーム(左から順に)
渡邊 真里、槙 智子、宍戸 愛理、河村 裕美さん、水口 久美子、深水 祐介
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