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チョコレート寒天培地評価プロトコール

1. チョコレート寒天培地に求められる性能

血液成中の易熱性自然抗体などにより発育が阻害されてしまう、栄養要求の厳しい菌に対し、ヘミンやNADなどを添加することにより良好な発育環境を与える。
主にHaemophilusNeisseriaなどの栄養欲求の厳しい菌の分離培養に非選択培地として用いる。 

2.必要な菌株及び試薬

評価菌株
    N. gonorrhoeae ATCC43069
    H. influenzae ATCC10211
    S. pyogenes ATCC19615
    S. pneumoniae ATCC49619


使用培地、試薬等
    チョコレート寒天培地各種
    BD BBL チョコレート寒天培地(BBL CRYSTAL NHコントロール用)
    滅菌生理食塩水
    BBL CRYSTAL NH

3.評価法

1.発育支持力試験
(1) 事前に分離培養しておいた評価菌株を用いて、滅菌生理食塩水でMcF0.5の菌液を調整する。
(2) McF0.5に調整した菌液をさらに滅菌生理食塩水で100倍希釈した菌液の10μLを各培地に画線塗沫する。
(3) 35℃、18~24時間、5%CO2環境下で培養後、コロニーの大きさ、溶血性、コロニーの形状、コロニー臭などを評価する。

2.菌回収試験
本試験では、現在使用している培地を比較対象とする。
(1) 各評価培地で分離培養したN. gonorrhoeaeを用いて、生理食塩水でMcF0.5の菌液を調整する。
(2) 菌液を10倍段階希釈し、101~107倍の希釈菌液を調整する。
(3) 各濃度の希釈菌液を2μlずつ各培地上の所定の区画に滴下し、18~24時間、5%CO2環境下で培養後、判定する(図.1)。
(4) 各菌濃度における発育度を記録する。対象とした培地と比較して、回収率が同等、もしくはそれ以上、それ以下であることを記録する。コロニー数が計数可能な場合はそれも記録する。

図.1
3.酵素活性の比較試験(生化学的性状への影響の確認)
コントロール培地にはBD BBL チョコレートⅡ寒天培地を使用する。
(1) 各試験培地に発育したN. gonorrhoeaeH. influenzaeをBBL CRYSTAL NHを用い、添付文書に従って同定を行う。
(2) 菌名が正しく同定されたかどうかを確認し、それぞれの酵素基質の結果をコントロール培地で発育した菌株から得られた結果と比較する。