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FAQ:BD BBLCRYSTAL


BD BBL CRYSTALの測定原理はどのようなものですか?

BD BBL CRYSTALの測定原理はどのようなものですか?

本製品のパネルには、生化学基質が29種類乾燥した状態でついています。ブロスで調整した菌液がこの基質を溶解することによって、特異的な基質を微生物が利用・化学分解し各指示薬によって検知することが出来るシステムです。

1)非発色の基質は、4-メチルウンベリフェロン(4MU)のクマリン誘導体、すなわち7−アミノ−4−メチルクマニン(7−AMC)を含む蛍光基質の酵素加水分解により蛍光量が増し、UV光源下肉眼で検知します。

2)発色性の基質は、加水分解直後色の変化を生じ、肉眼で検知します。


E/NFで菌液を濃くし迅速法として使用できるか?

E/NFで菌液を濃くし迅速法として使用できるか?

データベースの作られた条件以外で実施した場合、偽陽性/偽陰性の結果となり同定が不能です。


白金線の使用は懸濁性のため推奨されないのですか?

白金線の使用は懸濁性のため推奨されないのですか?

白金線で懸濁液を作成する場合、均一な菌液ができていれば問題ありません。綿棒を使用すると、均一な菌液をつくりやすいため推奨しています。


TSI等の確認培地からの釣菌は可能ですか?

TSI等の確認培地からの釣菌は可能ですか?

添付文書で指定された種類の培地を使用することをお勧めしています。その他の培地を使用すると正しい同定結果がでないことがあります。


所定の培養時間を越えると反応結果に何か支障をきたしますか?

所定の培養時間を越えると反応結果に何か支障をきたしますか?

酵素試験でニトロフェノールの退色および他の基質にて偽陽性が現れます。その結果、同定不能であったり、間違った同定結果となる可能性があります。


滅菌生理食塩水で菌液を調製することは可能ですか?

滅菌生理食塩水で菌液を調製することは可能ですか?

生理食塩水で菌液調製は行わないでください。BBLCRYSTALグラム陰性菌用ブロスには緩衝剤(3-モルホルノスポリン酸)が入っていますが、これはpHを7.0程度に保つためのものです。生理食塩水ではpHに影響をおよぼしますので使用しないでください。


Yersinia が疑われる場合は培養温度を下げる必要があるのではないか?

Yersinia は通常培養する場合、その温度では低いのでBBLCRYSTALを使用する際35℃で培養するとうまくでない。Yersinia が疑われる場合は培養温度を下げる必要があるのではないか?

BBLCRYSTALのデータベースは35℃での培養結果に基づき作成されています。したがっていかなる菌も35℃の好気培養を行ってください。

また、同定コードがうまくでないと思われる場合は、コンピューターコードブックの結果詳細の画面でCONFIDENCE VALUE(相対確率値)とBIOTYPE VALIDITY(生物型同等性)をチェックしてください。また、Yersinia pseudotuberculosisの最適温度は25℃前後ですが、本菌が疑われる場合でも、室温(20℃前後)での培養は避けてください。誤同定の原因になることがあります。


中間色の判定はどのようにすればよいのか?

中間色の判定はどのようにすればよいのか?

糖の分解は黄色・黄みがかったオレンジ色が陽性で、黄色味のないオレンジまたは赤は陰性です。酵素反応は黄色の色素を遊離させると陽性ですので、わずかな黄色も陽性と判定します。尿素などは、青系の色がみられないものは陰性と考えます。また、TTCは全体または縦線が赤くなれば陽性です。


BBLCRYSTAL E/NFキットの3列目(1の列)に特に中間色が多い

BBLCRYSTAL E/NFキットの3列目(1の列)に特に中間色が多い。これは何故か?また、どのように判定すればよいのか?

この質問は、エスクリン、尿素、グリシン、クエン酸、マロン酸、アルギニン、リジンの反応を意味していると思います。エスクリン、アルギニン、リジンは中間色のようなものは陽性ととり、尿素、グリシン、クエン酸、マロン酸の中間色は陰性ととるのが良いと思われます。


気泡が入り見にくいが、どのようにすればよいのか?

気泡が入り見にくいが、どのようにすればよいのか?

培養の際、フラン器の湿度が足りないことが考えられます。製造元ではフラン器の湿度は40%〜60%に保つことを推奨しています。フラン器のドアを開けたときに湿気で曇る程度に加湿してください。例えばベースが入っている培養トレイを二重に組み合わせて、上にはパネル、下には水を入れるもしくは、滅菌水で湿らせた紙(1枚)をトレイにしくというのも一案でしょう。


廃棄の際BD BBLCRYSTALは不燃物として扱うのか可燃物として扱うのか?

廃棄の際BD BBLCRYSTALは不燃物として扱うのか可燃物として扱うのか?

不燃物として扱ってください。


コードが出ないものが多い、データ不足ではないのか?

コードが出ないものが多い、データ不足ではないのか?

コードブックには、臨床的に検出されるであろう細菌について、その信頼性を数学的に算出し収載されています。したがって、すべての細菌を網羅しているわけではありません。これは他社の同定キットも同様です。BD BBLCRYSTALでは30桁の0-7の数字の組み合わせがあり、組み合わせの総数は10億を越えます。コードブックのデータベースにはその出現率の高い約10万の組み合わせに対応することができます。


BBLCRYSTALの判定が週末にかかる場合どのようにしたらよいのか?

BBLCRYSTALの判定が週末にかかる場合どのようにしたらよいのか?

BBLCRYSTAL E/NFは18-20時間培養をし、培養後1時間以内に判定するキットです。5℃前後に下がる冷蔵庫つきフラン器内で培養保存すると、基質によっては偽陽性が出る可能性は否定できず、同定不能になったり誤同定となることもありますので、お勧めできません。


BD BBLCRYSTALでは、他にどのような試験をする必要がありますか?

BD BBLCRYSTALでは、他にどのような試験をする必要がありますか?


E/NF
インドールテスト:DMACAインドール試薬(#261187)
この試薬を使われることをお勧めします。弱陽性の細菌は、偽陰性の結果がでる傾向にあります。

オキシダーゼテスト:オキシダーゼテスト(#261181)、タキソNディスク(#231044)

GP 
グラム染色:グラム染色キット(#212539)、グラムクリスタルバイオレット溶液(#212525)、グラム脱色液(#212527)、グラムサフラニン溶液(#212531)、グラムヨード液(#212542)

迅速GP
グラム染色:グラム染色キット(#212539)、グラムクリスタルバイオレット溶液(#212525)、グラム脱色液(#212527)、グラムサフラニン溶液(#212531)、グラムヨード液(#212542)

嫌気性菌 
グラム染色:グラム染色キット(#212539)、グラムクリスタルバイオレット溶液(#212525)、グラム脱色液(#212527)、グラムサフラニン溶液(#212531)、グラムヨード液(#212542)

カタラーゼテスト:1%Tween 80を入れた、15%H2O2を必ず使用してください。3%のH2O2を嫌気性菌に使用すると偽陰性になる傾向があります。

インドールテスト:DMACAインドール(#261187)
この試薬を使われることをお勧めします。弱陽性の細菌は、偽陰性の結果がでる傾向にあります。

N/H
グラム染色:グラム染色キット(#212539)、グラムクリスタルバイオレット溶液(#212525)、グラム脱色液(#212527)、グラムサフラニン溶液(#212531)、グラムヨード液(#212542)


コンフィデンスバリューとバイオタイプバリディティの意味を教えて下さい。

コンフィデンスバリューとバイオタイプバリディティの意味を教えて下さい。

クリスタルでは、コンフィデンスバリューとバイオタイプバリディティを用いて、同定結果の信頼性を数値化しています。
但し、この信頼性はデータベース(陽性率表)に登録してある菌種が対象となります。

コンフィデンスバリュー: 相対確率値 (一定以上の絶対確率値中の相対確率)
数字が大きいほうが当該菌である相対確率値が高いことを示します。

バイオタイプバリディティ: 生物型同等性 (その菌種の典型的な性状からの距離)
数字が小さいほうが当該菌に近い性状であることを示します。

同定結果の表示は、原則としてコンフィデンスバリューを優先して、1、2、3の順番をつけて行っています。
黒文字が基準値(社内データ)を満たしていることを示し、赤文字はそれから外れていることを示します。
(基準値による色分けは便宜的に目安として提示したものです。クリスタルをお使いになる施設において基準値の設定をお勧めしています。)


<< 補足説明 >>

◇相対確率値は、当該菌の絶対確率値を各菌の絶対確率値の合計で割ることにより求められます。
同定結果欄の3つの菌のコンフィデンスバリューを合計すると1に近い値になります。

◇絶対確率値は、当該菌そのものである確率を示し、次の計算式により求められます。  
絶対確率値=(基質の反応結果が陽性の場合は陽性率表 *1 の数字 /陰性の場合は(1-陽性率表の数字))(基質数+試験数 *2

*1 陽性率表: 同定可能菌種における各基質の反応結果一覧表
*2 基質数+試験数: クリスタルE/NFの場合は、基質数30と試験数2 (オキシダーゼ試験+インドール試験)の計32

◇同定結果の表示において、菌によっては必ずしも3菌種が表示されない場合があります。