2-7. 「かぜ」とはなんでしょう?

監修: 岡部信彦 先生
(国立感染症研究所 感染症情報センター センター長)

「普通感冒」と「かぜ」は同じ?

冬だけでなく一年を通じて「かぜ」をひきますが、一般的に「かぜをひいてしまった」という時は「普通感冒」のことをさします。

「普通感冒」の症状としては、はじめはのどの痛み、くしゃみ、鼻みず、頭痛、だるさなどで、やがて鼻みずが粘り気をもってきて鼻が詰まったりしてきます。せきなども現れ、発熱(微熱から比較的高い熱)、吐き気、下痢を伴う場合もあります。

「普通感冒」の原因となるウイルスはさまざまですが、ライノウイルスやコロナウイルス、RSウイルスによるものが多く、複数のウイルスに、同時に感染していることもあります。

かぜ症候群の
比 較
普通感冒 RSウイルス感染症 インフルエンザ SARS
初期症状
鼻やのどの違和感・乾燥感・くしゃみ
鼻みず・タンがからんだせき
悪寒・突然の高熱(38度以上)
突然の高熱(38度以上)・せき
経過 鼻みず・鼻づまり・のどの痛み・せき・タン・声がれ
微熱〜38度ぐらいの発熱
タン・ゼイゼイとのどが鳴る(喘鳴)・発熱
高熱・頭痛・関節痛・筋肉痛・全身の倦怠感
(熱が上がった後にせきや鼻みずの症状)
はげしいせき・呼吸困難・全身の倦怠感・関節痛・筋肉痛・頭痛
(重症の肺炎)
特徴と注意
ふつうは1週間程度で治るが、気管支炎、肺炎などに移行することも時にはある。
乳児では重度の細気管支炎となることがある。喘息、先天性心疾患がある時にはさらに重くなりやすい。

高齢者では肺炎をおこしやすい。
幼児では稀に急性脳症をおこすことがわかってきた。

高齢者の死亡率が高く、治療法は確立されていない。「SARS」患者との接触を避けること。
症状のない時の感染力はほぼない。

症状を抑えることが「かぜ」の治療法

市販のかぜ薬(総合感冒薬)は、かぜの諸症状(発熱、のどの痛み、鼻みず、鼻づまり、悪寒、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み、せき、タン、くしゃみ)の緩和に効果があります。

「インフルエンザ」には抗インフルエンザウイルス薬が数年前に登場していますが、その他の「かぜ症候群」のウイルスに直接効く治療薬はごく限られています。
イラスト:風邪の症状

重症化する合併症

「かぜは万病のもと」と言われますが、例えば「インフルエンザ」で注意しなければならないのは、「合併症」です。抵抗力が弱っていると、ウイルスや細菌が侵入・増殖しやすく、肺炎や髄膜炎など重い合併症が現れることがあります。時に死に至ることもあるため、かぜの症状を甘くみないで、症状の変化をよくみて、場合によっては早めに医師の判断をあおぐ必要があります。

「かぜ」はひきはじめと治りかけが肝心。薬の力を過信しないで、症状がなくなったからといって弱った体で無理をしないことも大切です。
イラスト